布を作る2


前回の記事では刺繍について書きましたが、実のところ、YURTAOで一番多く使う技法はシルクスクリーンプリントになります。
8割くらいはこの技法で布を作っています。
版画の一種です。
使った事ないので定かでないけど、プリントゴッコと同じ原理だと思います。
上の写真はプリント用の版です。
細かい編み目状の布が張られたアルミ枠の中に私が描いた柄が見えます。
この白い部分は編み目状になっていて、青い部分は紫外線で固まる特殊な薬剤によってインクを通さないようになっています。







柄を考えます。
柄を描くときに目指している方向性というものがあるのですが、内面的なものでここに書き出すと異常に長くなってしまうので(それでなくても長くなる予感がひしひし)、ここら辺の事は近々webに挨拶文のような形で書こうと思います。

版は色の数だけ用意します。
色数が多ければ多いほどお金も時間も技術力もかかります。
私は大抵1版2版程度ですが(コストがかかってキツイという面ももちろんありますが、それ以上に目指している方向性にも関係があります)そのうちもっと多色のものも作れたらと思います。

ブランドの体力というものがつくにつれて、出来る事、関係する人達、影響を与えられる範囲というのがどんどん大きくなるのでしょう。
YURTAOは始めて5年にもなりますが、一向に細々しいまんまの吹けば飛んでしまいそうなブランドではありますが、ここ二年ほどでそれでも随分初期に比べると逞しくなりました。
年に一回しか新作を発表しないのにも関わらず、暖かい目で応援してくださる皆様のおかげです。

って、話が逸れましたね。

描いた柄をリピートにして図案にします。
今回は友人の手を借り、初めてアナログデータではなく、デジタルデータで作りました。
本当は自分で出来ないといけないんですが、とにかくデジタル系が苦手でしんどいのです。
心優しき友人に感謝です。

製版屋さんに頼んで版が出来上がると、早速刷る作業に入るわけですが、この瞬間はすごくドキドキして楽しいですね。

色を考えるのも最も興奮する作業でもあります。
YURTAOはかなり私のその時の気分で色を決めてしまいます。
決めていた色を直前になって気が変わって変えたりもします。
その分失敗したりもするのですが、反面思いがけなく面白い布になったり、その時の気分がそのまま表れたりします。
生産性といった面では不都合が多々あるのですが、そのライブ感というのは失いたくない一つの要素ですね。

とは言え、まあそれは私の癖とそれに関する言い訳のようなものですが。

サンプルで完璧なデザイン、配色を決めて、それと変わらないように生産するのが大人の仕事なんだと思います。
実際そのようにして布を作ってる友人の姿は眩しいです。





インクは顔料と染料とあります。
上のは顔料で、基本的にYURTAOは顔料が多いです。
染料は蒸す作業があるので、設備が無いと出来ない事もあり気軽ではありません。
今年は一時的に設備に恵まれた事により、染料プリントものも多く作りました。
染料の方は布の風合いを生かした透明感のある表情になります。
また、色の重なりも綺麗にでます。
顔料の場合は素材は選びませんが、染料は布に浸透し、定着させるので天然素材を使用します。
パキッとさせたい時とか濃い色の布に柄をのせる時、またYURTAOにとっては欠かせない蛍光色などは顔料プリントになります。

色糊を作るのはかなり難しく、経験とサンプルを作る作業にたくさんの時間がかかります。
イメージの色にするには、どの色の染料を使えばいいのかという選択と、100gの糊に対して何g入れるかといったような濃度の問題もあります。
バインダーの種類を素材や表現に合わせて混ぜたりもします。

私は、経験も、サンプルを完璧にする根気もいまいち乏しくお恥ずかしいです。
何となく思い立って普段の作業内容を紹介してみようかと思って書きましたが、正直、技術的な面は大きな声で言えないくらい貧弱な面ばかりなので、この人すごい、みたいな風にとられないか心配してます。
もっとちゃんとしたすごい人は他にたくさんいるんです。



上のオレンジ色の糊を、1番上の版において刷るとこのようになります。


刷っているところ。






ここまでくると完成まで残りわずか!
布は濡れてる時、5割増しで美しいので、手はぼろぼろかさかさになりますが、洗いの作業はとてもワクワクします。

このあと乾燥させアイロンかければ完成です。
ここからは、染め上がった布をひたすら眺めてはどんな形にすればいい感じの洋服になるか悩みに悩む時間が始まるのです。

ではでは長くなりました。
勢いで書いてしまいましたが、不備がない事を祈ります。
最後までお読みくださった奇特なあなた、ありがとうございました。





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